デリケートゾーンがふっくら感を失い、乾燥し、痩せてくる!そんなときの対処法

2020.07.27
デリケートゾーンがふっくら感を失い、乾燥し、痩せてくる!そんなときの対処法

女性は肌だけでなく、腟や外陰部もふっくら感を失い、痩せてきます。

特に40代からは、女性ホルモンの分泌が低下して、さまざまな体と心の変化が起こります。

肌の乾燥を感じる人も少なくありません。

粘膜は、目や口腔内にありますが、女性にとって大事なデリケートゾーンの腟や外陰部も粘膜です。

デリケートゾーンの粘膜も例外ではなく、女性ホルモンの低下によって少しずつ乾燥が進み、違和感がでてきます。

デリケートゾーンの違和感への対策を紹介します。

文/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

 

かゆい、擦れて痛い、性交痛!ありませんか?

デリケートゾーンの乾燥や違和感をもっている女性は想像以上に多く、相談をもちかけられることも増えてきました。

「外陰部のかゆみを感じる」「外陰部が乾燥して下着と擦れて痛い」「セックスのときに痛い」「湯船から出たときに腟から水が出る」「腟が擦れて痛い」などです。

乾燥が進むと、腟や外陰部はふっくら感を失い、痩せてきます。これが腟や外陰部の萎縮です。

腟萎縮で起こる不快症状はさまざまあります。

 

こんな外陰部と腟の症状に要注意!

以下に当てはまる症状があれば、外陰部・腟の萎縮が始まっている可能性があります!

腟や外陰部に当てはまる症状があるか、チェックしてみてください。

  1. 乾燥を感じる
  2. かゆみがある
  3. 腫れた感じがある
  4. 熱くほてる感じがする
  5. おりものが減ってきた
  6. 性交痛がある
  7. アンモニア臭が気になる
  8. 尿もれ、頻尿がある
  9. 膀胱炎を繰り返す

 

外陰部や腟の違和感の多くは「外陰腟萎縮症」

更年期の外陰腟萎縮症

更年期が近づくにつれて、腟や外陰部にかゆみが出たり、ヒリヒリ感などの乾燥、臭いなどの不快症状を感じるとしたら、それは女性ホルモンのエストロゲンの低下が原因のことが多いのです。

そんな違和感を婦人科では、「外陰腟萎縮症」と呼んでいます。

外陰部や腟の潤いやふっくら感がなくなり、乾燥して、痩せて、雑菌が繁殖するために起こる炎症です。

性交痛や尿もれにも関連しています。

「外陰腟萎縮症」は、閉経後、女性の約半数に起こると言われています。

 

エストロゲンの低下と老化によって

そのメカニズムは、エストロゲンの低下と老化によって起こります。

  1. 血流が低下し、腟内のコラーゲンを作る細胞と、分泌液が減少(→乾燥、かゆみの原因)
  2. 腟粘膜が薄くなって、外傷を受けやすくなる(→腫れ、灼熱感、性交痛の原因)
  3. 腟内の酸性を保つ、乳酸桿菌(デーデルライン桿菌)が減少し、雑菌が増加(→臭いやかゆみの原因)
  4. 尿道周囲の筋力とコラーゲンが低下(→尿もれの原因)

海外では、「外陰腟萎縮症」を積極的に治療していますが、日本ではまだ、誰にも相談できず、放置せざるを得なかったり、市販薬の軟膏などで対処する人も少なくありません。

腟や外陰部が萎縮すると、自然には元に戻りません。市販薬の軟膏を長期に使い続けて、赤く腫れ、難治性の腟外陰萎縮症になってしまう人もいると言われています。

運動などで動くと、腟や外陰部が擦れてQOLの低下にもつながります。

我慢して過ごすのではなく、婦人科で積極的に治療しましょう。

 

腟錠などで治療できます

デリケートゾーンの症状(外陰腟萎縮症)に悩んでいたら、婦人科でほかの病気がないことを確認することも大事です。

クラミジア、トリコモナス、ヘルペスなどの性感染症(STI)の有無をチェックしましょう。

また、せっかく婦人科に行ったら、経腟超音波で子宮や卵巣の検査もしてもらいます。子宮頸がん検診を2年以上、行っていない人は一緒に行いましょう。

婦人科での治療は、多くの場合、エストロゲンを含有した腟錠(腟に薬を入れる)を使います。

また、乳がんや血栓症などの心配がない40代以上の人は、ホルモン補充療法(HRT)を選択することもできます。

ホルモン補充療法(HRT)は、錠剤(飲む)、パッチ剤(貼る)、ジェル剤(塗る)があります。

 

腟周りの不快症状を改善するレーザー治療も!

エストロゲン腟錠による治療は、今、婦人科で最も多く行われている治療法です。

症状が進んでいる人は、毎日、継続して腟錠を入れる必要があります。

しかしながら、腟錠やホルモン補充療法(HRT)だけでは、腟の潤いを取り戻せない人もいます。

「腟錠でよくならない」「毎日お薬を入れるのが面倒」という人には、レーザーによる新しい治療が一部の病院でできるようになっています。

顔のリフトアップやたるみ改善に使われている炭酸ガスフラクショナル(CO2)レーザーを腟と外陰部に照射する新たな治療法です。

この更年期以降の女性ホルモン減少によって起こる腟粘膜の萎縮を改善する外陰腟部のレーザー再生術を「モナリザタッチ®」と言います。

腟粘膜の萎縮による不快症状(乾燥、臭い、かゆみ、性交痛、排尿障害・尿もれ)、外陰部のしわ、たるみが気になる人に行われています。

麻酔クリームを塗り、腟内に専用プローブを挿入。レーザー照射は約1分間。プローブを変えて、外陰部も約3~5分、レーザー照射します。

即効性がありますが、継続して2~3回行うと、さらに効果が高いと言われています。

自由診療なのでクリニックによって費用は異なりますが、1回80,000円程度で行っているクリニックもあります。

モナリザタッチを行う医療機関を検索: http://ja.monalisatouch.com/

 

骨盤底筋トレーニングは、デリケートゾーンケアに有効

骨盤底筋トレーニング

腟や外陰部の萎縮に伴う不快症状のセルフケアとして、日常生活で骨盤底筋群の筋力を落とさないように、日ごろから骨盤底筋トレーニングを欠かさないことが大切です。

若いときに運動をしていたかどうかより、今から骨盤底筋トレーニングを習慣にできるかが、粘膜の不快症状を遅らせるためには、大事と言われています。

腟を内側に引き込むことをゆっくり繰り返すだけで、トレーニングになります。

お風呂で手を腟に当てて、締まりを確認するのもいいでしょう。

たとえば、こんな運動もいいでしょう。

  1. 背筋を伸ばし、両かかとをつけ、つま先を少し外に開いて立ちます
  2. ゆっくりと呼吸をしながら、膝をつま先の方向に曲げます
  3. 次に、曲げた膝をゆっくり伸ばしながら、腟の引き込みを意識して、両脚の内ももをピッタリとくっつけます
  4. これを5~10回、ゆっくりと繰り返します

 

腟を意識して! 締めつける下着はNG

普段から、腟の引き締めを意識して生活を送るだけで違ってきます。

太りすぎも、痩せすぎも、腟周りの筋力低下につながります。

また、締めつける下着をつけないようにすることも大事です。

お手入れは、デリケートゾーン専用ソープでやさしく洗うようにします。

また、性交時に使う、腟を潤わせる潤滑ゼリーもあります。

 

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増田 美加 Mika Masuda

http://office-mikamasuda.com/

エビデンスに基づいた健康情報&患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。女性誌『婦人画報』『GINGER』『美的』ほか、女性WEBマガジン『MY LOHAS』『Web GINGER』『女子カレLOVABLE』『@cosme A-beauty』ほかでヘルスケアや女性医療の連載を行う。テレビ、ラジオにも出演。乳がんサバイバーでもあり、がんやがん検診の啓発活動を行う。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。

NPO法人「みんなの漢方®」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事長、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、「マンマチアー委員会 ~乳房の健康を応援する会」主宰、「日本女性ウェルビーイング学会」副代表、一般社団法人「ウイメンズヘルスリテラシー協会」理事、NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員