【生理について話そう】「生理だから」「妊娠出産があるから」で、女性に何かをあきらめてほしくない。大学教員・緒方はづきさん

2021.10.13 | インテグロ編集部

生理について話そう 緒方はづきさん

ボディビル大会の「フィットネスビキニ部門」に出場した経験もある、緒方はづきさん。日体大で大学院まで進んで現在も同大学で研究のほか、トレーニング指導も行う彼女の歩んできた道は「女性の健康を守る」という思いからスタートしました。アスリートだけなく、すべての女性に向けられた「自分のありたい姿、心地よい状態でいてほしい」という願い。それは、緒方さんが感じてきた生理のわずらわしさと月経カップとの出会いのストーリーからも感じられました。

愛用中の商品:​​スーパージェニーエヴァウエア

 

Her Lifestyle

ボディビル大会に出場された経験について教えてください。

ボディビル フィットネスビキニ 緒方はづき

もともと、全く大会に出るつもりがなかったんです。筋トレやダイエットするためのヒントがあるんじゃないかなと思って大学でボディービルの部活に入部したところ、先輩に出ないかみたいな感じで誘われました。

最初は半信半疑というか、「(ボディビルをやる人は)やばいやつでしょ」と思っていました(笑)。でも、先輩の競技大会を見に行ったとき、キラキラのビキニコスチュームが輝いて見えたんです。美しい!って。本当、感動しました。

大会に出るまで10ヶ月ほどトレーニングを重ねました。朝5時に起きて2時間筋力トレーニングして、アルバイトに行って、夜に1時間半トレーニングをする、というのを週6日でやっていたんです。結構、別世界に見えるかもしれないですが、体力をつけるためにとか、ダイエットするためにというのがきっかけで、そのままコンテストに出場してしまう人も多いんですよ。

 

大会に出てみて、変化はありましたか?

ボディビル・フィットネス選手権大会

私自身は体型が変わる以上に、大きな気持ちの変化がありました。

それは、コンプレックスが解消できたこと。バレーボールをやっていたんですが、いわゆるガタイがよくて肩幅が広い体型、「かわいい」といわれる流行の洋服が着られないことや、人との体型の違いにコンプレックスがあったんです。

ボディビル フィットネスビキニ 緒方はづき

でも、大会に出ることで、鍛えた筋肉があるということが完全に自信に変わりました。世の中にどんな価値観があっても、これも「美」であるし、ここでは私のやってきたことや、その結果の身体が評価されるんだということが自信になったのは、本当に大きなことでした。

 

現在の仕事を進まれたきっかけについて教えてください。

運動指導中の緒方はづきさん

現在、日本体育大学で教員として、筋力トレーニングについての研究や、アスリートのトレーニングサポートをしています。競技スポーツをしている大学生を対象に、ピークをもっていきたい大会日程に対して、どう準備して計画をしていくか、実際に現場に行ってトレーニングを教えたりもしています。

でも、アスリートのためだけに研究やサポートをするというよりは、「女性の地位や健康を守る仕事がしたい」というのがスタートでした。もっと一般の女性の健康増進に関わることがしたいと思って、一般女性が筋肉をつけたらどう健康につながるのかというようなテーマで研究していました。

女性の健康を守りたいと思ったのは、女性特有の体の特徴とそれを取り巻く環境に疑問があったからです。生理なのに休めなかったり、しんどいのに認めてもらえない、「生理っていうけど仮病じゃない?」と言われてしまう。それって何かおかしくない?と思ったんです。そんなひどい環境は前より少なくなっているかもしれないけれど、世の中にはまだまだあって。同じ女性としてわかる人が、彼女たちを守る仕事をしてあげればいんじゃないかなと思ったんです。

 

Her Period

運動時や普段の生活での生理の困りごとはありましたか?

バレーボール部時代の緒方はづきさん

小学校高学年に生理が来たと思うんですが、まず、ナプキンを使ってるときは、ずっとにおいや不快感に悩まされていました。バレーボール競技を始めたときは、ジャンプをしたり、激しく動いたりするので、普通のナプキンではズレてしまって。心配性なのでオムツ型のナプキンをはいていました。

高校生の途中ぐらいからタンポンを使い始めました。それはそれでとても画期的で、使用している間は挿入感もないし、違和感もないし、ムレなくてすごい!と思っていたんです。そして、タンポンしか使わなくなったので、連続使用するようになってしまったんです。

でも、タンポンの使用説明書(使用上の注意)には、連続使用しないでナプキンと交互に使用するよう書かれています。それでも、私はどうしてもナプキンが不快すぎて、ずっとタンポンを使ってしまっていたんです。しかも、トイレに行くたびにヒモが濡れてしまうのが嫌で、頻繁にタンポンを変えていました。量が少なくなると乾いた状態で何回も出し入れすることになります。そうすると痛くなって、かゆくなってきて。耐えられなくなっていきました。

さらに、ホルモンバランスの乱れだと思うのですが、大学院生のときくらいから、生理日数が長くなってきて。生理が10日以上かかるうえに、タンポンで強いストレスをかけていたからか、生理が終わってもかゆみが数日続くことが多かったんです。考えると、月に半分以上の期間、デリケートゾーンが不快という状態になっていました。

 

月経カップを知ったのは、どんなタイミングだったんですか?

もう無理だなと思ったときに、月経カップの存在を知りました。でも、当時はなかなか踏み出す勇気がなくて。それが3年前くらいです。

そして、1年前にやっぱり月経カップをやってみたいなと思い出して、いろんな記事を読んでいたんですね。そのとき、ちょうどキャンペーンをやっていたので、背中を押されてようやく月経カップデビューしました。

知ってから使うまで時間がかかりましたね。手に取った第一印象は、「かわいい〜」ということ。そして、思ったよりやわらかいなと思いました。同時に「これ入るのかな?」という不安もありました。でも、使ってみたら本当にラクでした。

使う前に予習の動画を見て、また、動画を流しながら入れてみたりました。初めて入った瞬間までは、思ってるほど時間がかからなくて驚きました。取り出しもトイレでは問題なし。しゃがんだ状態など姿勢によって取るのが難しいかも?と思いましたが、使い慣れていない最初のころだけでした。

 

使ってみてよかった点はどんなところですか?

一番のメリットは体外にヒモが出ないこと。トイレに行くタイミングを気にしなくていいのが、一番うれしいですね。

月経カップを使用するときは、リセットするのはどれだけ多くても3回。でも、本当に滅多に3回はなくて、量が多くて不安だなと思う日は2回。ほとんどは、日中に1回変えるか変えないかですね。トイレに頻繁に行って、それごとにタンポンを替えていた生活から考えるとまるで違います。

現在は、組み合わせでスーパージェニーとエヴァウエアを併用。心配性なのでバックアップとしてエヴァウエアを一緒にしてます。今はナプキン、タンポンは一切使っていないです。最初のころはタンポンも持ち歩いていましたが、3回ぐらいサイクルが終わったときに「もう、いらないな」と思って以来、一切持っていってないですね。

旅行のときも同じように使っています。また、友達の家にお泊りをするときにもゴミが出ないというのは意外なメリットでした。彼氏の家に行って使用済みナプキンの処理に困るという女の子もいると思うんです。そのままポーチに入れられないからビニールに包んでカサカサ音を鳴らしながらバックに入れて……みたいなことをしなくてすみますよね。

多い日は、ナプキンだったら2時間に1回くらいで変えなきゃいけない時もあります。持ち歩くのもかさばりますし、ゴミも出ます。恥ずかしながら環境保護などの意識が高いわけではなかったのですが、快適さやラクさを求めて月経カップを使った結果、自然と「環境保護につながる行動になった」という感じです。

 

インテグロの月経カップアンバサダーに応募されて、周囲の反応は?

応募したのは、人のために何かしたかったというよりは、「なんかワクワクして」という気持ちが大きかったです。もちろん、せっかく選んでいただいたからには、広めていくことに貢献していきたいと思っています。

実際に月経カップのことなどを周囲に共有してみたら、思ったよりも多くの人が反応してくれました。「何、それ?」と言われるよりは、「それって、実際どうなの?」という具体的な質問が多かったです。

月経カップは、まだそこまでメジャーになっていないイメージだったので、周りの子たちが「知っている」ことにびっくりしました。自分の知り合いがスポーツをやっている人が多いというのもあるのですが、やはり運動をしている子からのリアクションが一番多かったです。他には、子育て中のママからのリアクションもありました。

 

Her Message

生理について読者に伝えたいメッセージをお願いします。

生理だけではなく、妊娠・出産など、女性特有の身体の変化がありますよね。そういう変化のある体をもつ「女性」であるからという理由で、何かをあきらめることをしてほしくない、したくないと思っています。これは、私自身に対しても言えることです。

スポーツの業界は、まだまだ女性の指導者がとても少ないんです。現場に立つと、指導者自身が動いて見せて指導することが理想とされています。でも、妊娠したら、重たいバーベルをもって踏ん張ったり、選手と同じように激しく動いたりはできないですよね。そうすると、キャリアと子ども、どちらをとるかという判断になってしまい、結果、どちらかをあきらめてしまう女性は多いです。私自身もまさに今、悩んでいるテーマです。

それでも、コロナの影響もあって、運動指導もリモートを活用しながらやることができていたり、妊娠・出産後も指導できる可能性は出てきているかもしれないとは思っています。

 

Her Dream

今後の夢や目標を教えてください。

生理について話そう 緒方はづきさん

男性の育休がうまく取れるようになるために何かできないかと思っています。仕事しながら子育てするとき、やはりパートナーが育休を取れるのはかなり大きいことです。子どもを育てるのはお母さんだけの仕事ではなく、お父さんとお母さんの二人の仕事。男性も当たり前に育休を取って協力できたなら、女性のキャリアの中断や断絶も減らせるかもしれないです。

なので、男性の育休取得を促すためにも、「健康を守るための労働環境の整備」にかかわっていけたらと思っています。研究もしたいなと思いますが、例えば一つの会社に入って、社員の一人として具体的に制度整備をやっていくという方法もあると思っていて。今後のキャリアは決めてないのですが、自分の周りの男性も含め、男性が育休を取れるようにサポートができたらいいなと思っています。

 

プロフィール

大学教員  緒方はづき(おがたはづき)さん

「女性の健康」の専門家。日本体育大学、同大学大学院に進み、2020年4月から同大学教員。大学院在学中に東京慈恵科大学非常勤講師も務める。専門は、運動生理学、代謝、筋力トレーニング。大学在学中にJBBFフィットネスビキニ部門に出場。2017年に東日本オープン6位、湘南オープン6位。学会発表に「若年女性における体組成とインスリン抵抗性の関連性」(日本体力医学会)、「若年女性におけるレジスタンストレーニングがインスリン抵抗性に与える影響」(日本トレーニング科学会)など。