子宮体がん
しきゅうたいがん
子宮体がん(子宮内膜がん)は、「子宮内膜がん」ともいわれているように、子宮体部の子宮内膜に発生する上皮性悪性腫瘍です。
子宮体がんは子宮頸がんとは異なり、月経による内膜剥離のなくなった閉経後の女性に発生しやすく、更年期以降の女性に多いがんです。30歳代で発症することもありますが、増加するのは45歳ごろからで、最も多いのは50歳代、ついで60歳代に多くみられます。
子宮体がんの誘因は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの過剰分泌と考えられています。排卵障害によって、月経時に子宮内膜がはがれず、増殖を続けていくと、それががんに進展する可能性があるとされます。
がんの進行の度合いによって0期からⅣ期までに分けられます。子宮体がんの唯一の自覚症状は不正出血ですが、初期は子宮頸がんに比べて症状が出にくいため、約半数には出血がみられません。進行した子宮体がんでも出血がなく無症状のケースもあります。
閉経前になると、月経が長引いたり月経周期が乱れたりすることがよくあるため、がんによる不正出血を月経不順と勘違いして、発見が遅れることもあります。進行が進むと下腹部の痛み、悪臭をともなう経血や膿の混じったおりものなどがみられます。
基本的な治療は、手術による子宮の摘出で、多くは卵巣、卵管も含めて摘出しますが、0期で妊娠・出産の希望がある場合は、子宮内膜掻爬(そうは)とホルモン療法の併用で子宮と卵管を残すこともあります。
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