外出先の公共トイレで月経カップはどうやって交換するの?

2018.11.08
外出先の公共トイレで月経カップはどうやって交換するの?

筆者は月経カップを使いはじめて3年が経過しました。

うれしいことに、最近は身の周りでも月経カップユーザーが増えてきたため、使い方についての質問も多く寄せられるようになりました。

その数ある質問の中でも、多くの方からいただく質問が公共トイレでのカップの交換方法についてです。

紙ナプキンやタンポンは、いつでもトイレで外して丸めればすぐにゴミ箱にポイッとできますよね。

荷物はかさばりますが、捨てるのは簡単です。(ただし公共のゴミ箱があるトイレの場合)

一方で、月経カップは繰り返し使える生理用品のため、ポイッとすることはできないのがネックです。

手は経血で汚れるし、トイレの個室には洗面台がないし…など、月経カップ初心者の方々は特に戸惑いますよね。

今回は、「外出先の公共トイレでもスムーズに交換する方法」をご紹介します。

生理用品を取り替えるタイミング

カップに溜まった経血はどうするの?

トイレでカップを取り外したあと、中に溜まった経血はそのまま便器に捨ててください。

これが外出先のトイレの場合、処理方法に一瞬迷う方もいるかもしれませんが、基本的には自宅でも外出先でも処理方法は同じです。

ここでワンポイントアドバイス!

経血は、開いた両足の間から捨てるので、足はなるべく広めに開いておきましょう。

うっかりこぼしてしまって洋服を汚したくないので、洋服はしっかりまくり上げて、パンツは下げて、下半身が動きやすい状態にしましょう。

ちなみに、お風呂でカップを取り外した場合は、排水口に捨てましょうね。

 

トイレの個室内に洗面台がないときはどうするの?

トイレの個室内に洗面台が付いていれば、取り出したカップはすぐに水洗いして、再度挿入するだけです。

しかし、実際には公共トイレの個室内には洗面台がついてないことがほとんどですよね。

そんなとき、どうすればよいのでしょうか?

その場合は、トイレットペーパーやウェットティッシュなどのアイテムを活用しましょう。

 

アイテムを活用したカップのリセット方法

① 感染予防のためにトイレに入る前に手をしっかり洗う

② 先に、トイレットペーパーやウェットティッシュをすぐ手に取れるところにセット

③ カップを取り出し、足の間から溜まった経血を便器に捨てる

④ セットしておいたトイレットペーパーやウェットティッシュで、カップや指を軽く拭く

⑤ カップを再度挿入

⑥ 気になる場合は指をもう一度拭き、トイレに流す*

*ウェットティッシュの場合は、トイレに流してOKなものか確認し、流せないものはトイレットペーパーなどにくるんで、サニタリーBOXに捨てましょう。

 

「この程度で感染の危険はないの??」と心配になる方もいると思いますが、そもそも腟は人間の腸や口の中と同じように常在菌が多く存在し、無菌状態のきれいな場所ではありません。

常在菌が腟内を酸性に保っていることで、外からの細菌の侵入を防いだり、病原菌を死滅させたりしています。

私たちの腟内にはこのような自浄作用があるため、そこまで神経質にならなくても大丈夫なのです。

筆者は、急いでいるときや面倒なときには、取り出したカップを空にしたら、そのまま再挿入してしまうこともあります。

感染予防に一番重要なことは、カップを取り出す前に手をきれいに洗っておくことです。

そして、帰宅後にはカップは水でしっかりと洗浄するようにしましょう。

参考:日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016 (改訂版)

 

トイレットペーパーだけでは不安・・・

ノンアルコールタイプのウェットティッシュ

トイレットペーパーで拭くだけではまだ心配、衛生的に気になる!という場合は、赤ちゃんのおしりふきやデリケートゾーン専用のノンアルコールタイプ(低刺激性)のウェットティッシュを使用することをおすすめします。

ウェットティッシュの良い点は、トイレットペーパーよりもカップをきれいに拭くことができることと、カップの交換時以外でも役に立つ場面があることですよね。

食べ歩きやお祭りの屋台で食べこぼしてしまったとき、何かに触って手や身体が汚れてしまったとき、水道が近くにないときなど、出先で「ウェットティッシュがあってよかった!」ということが多いと思いませんか?

もし公共のトイレでペーパー切れになったときも代用品として活躍するので、手ぶらで出かけたいとき以外はバッグに忍ばせおくと便利だと思います。

ウェットテッシュの大半は水に溶けない素材ですが、中には洗い流せるタイプのものもあります。

ゴミ箱がないトイレではカップや手を拭くことができ、捨てる場所にも困らないのでより便利です。

また、アルコールが含まれる除菌用のウェットティッシュは、腟粘膜にピリピリと刺激を与えるので、ノンアルコールタイプのものを使用してください。

最近ではデリケートゾーン専用の商品もあるので、ご自分が心地よく使えるアイテムを見つけてみましょう。

 

清浄綿

清浄綿とは、医療用の脱脂綿にごく低濃度の消毒液を染み込ませフィルムで個別包装し、滅菌したものです。

赤ちゃんの目元や口元、授乳中のお母さんの乳首の清拭などに使用されます。

消毒液が含まれていると言っても、それはごく低濃度であるため肌にも優しく安心して使用できるのです。

この清浄綿を月経カップ用におすすめするポイントは2つあります。

① 個別包装のため清潔かつかさばらない

清浄綿には製品によって大判タイプのものもありますが、薬局で手軽に手に入れられるものはほとんど手のひらサイズです。

1つ1つが薄く、ポケットにも簡単に入るサイズなので何十枚も入っているウェットティシュよりもかさばりません。

② 含まれる水分量が多く、絞ることでカップをすすぐこともできる

清浄綿は含まれる水分量が非常に多いウェットティッュです。

2枚組みになっている製品が多いので2枚とも絞ってみると、カップの中には経血が流せる程度の水分が溜まります。

その水で中の経血を落とし、絞ってちょうど良い水分量になったティッシュの1枚はカップの外側を拭きます。

もう1枚は自分自身の手を拭くのに使用してみてください。

すると、手もカップもきれさっぱり!清潔にカップを交換することができます。

清浄綿を使用する際の注意点

清浄綿を使用する際の注意点が2つあります。

①製品によっては高濃度の消毒液が含まれているものもあるため、購入の際は成分表を確認すること

②清浄綿は水に溶けない素材のため、トイレに流さないこと

使用済みのものは、包装されていた袋に入れるとゴミ捨ても簡単です。

 

やっぱり水ですすいでから挿入したい

それでもやはり、カップは水ですすいできれいにしてから再挿入したいという人もいますよね。

でも、せっかく月経カップで手ぶらになったのに、水のペットボトルを持ち歩くのは避けたいところ。

荷物を増やさないためには、旅行用に100均やドラッグストアでも販売しているシャンプーや化粧水などの詰め替え用ミニボトルを用意しておくのがおすすめです。

これだと、小さくて化粧ポーチにも入るので荷物がかさばりませんよね。

カップを洗うために、たくさんの水が必要だと思っている方も多いのですが、実際はこのくらいの水があれば、カップも指もゆすぐことができます。

 

月経カップの2個持ち

やはり「毎回きれいな状態のカップを使用したい!」という方は、月経カップの2個持ちが良いでしょう。

初期費用はかかりますが、大切に扱えば数年間から10年近く使えるものですので、長い目で見れば十分に元が取れます。

筆者はカップを使い始めたころ、外して、拭いて、折って、再挿入という一連の流れを狭い職場のトイレでおこなう自信がありませんでした。

空調のないトイレだったので、真夏の蒸し風呂状態のトイレの中でカップの着脱に時間をかけるのはかなり過酷ということもあり、サッと交換できるように予備のカップを持ち歩いていました。

新しいカップを挿入したら使用済みカップを持ってトイレから出て、洗える場合は水道でサッと水洗いします。

それが難しい場合は、ジップロックなどに入れて持ち帰り、家で洗浄しているユーザーもいます。

月経カップの2個持ちは、毎回きれいなカップを装着できるというメリットがありますが、単純に2個のカップを揃えるのはコストがかかります、

「案外、1個で大丈夫だった!」という声もありますので、いきなり2個用意するよりも、まずは1個で試してみて、必要に応じて追加するのをおすすめします。

ピンクの背景と透明の月経カップ

まとめ

今回は、カップユーザーから多く寄せられる「挿入・取り外しの疑問」の中でも、「外出先の公共トイレでの交換方法」に注目して、その対処法や便利グッズをご紹介しました。

ここでひとつ覚えておいてほしいのが、どんなアイテムを活用したとしても、感染予防のために最も大切なのは、清潔な手でおこなうことです。

カップがきれいだとしても、それを触る手が汚かったら意味がありませんよね。

ぜひ、トイレに入る前に、手を洗う習慣をつけましょう。

また、今回ご紹介したものはあくまでも一例です。絶対に同じようにしなければいけないわけではありません。

筆者は月経カップを3年間使用し、毎月研究を重ねた結果、自分自身が納得する心地よいカップの使い方が確立したように思います。

みなさんも前向きな気持ちで試行錯誤を繰り返し、快適な月経カップライフを送りましょう!

 

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木下綾乃

インテグロ株式会社 生理ケア&月経カップアドバイザー

1990年東京生まれ。筑波大学体育専門学群 卒業、中高保健体育教員免許取得。筑波大学人間総合科学研究科体育学専攻 博士前期課程 修了。

小さいときから身体を動かすことが好き。3歳から水泳を始め、約18年間競泳選手として活躍。大学院在学中は、スポーツを通じた国際協力としてNGOにてカンボジアの小学校の体育科教育の普及に携わる。また、日本では小学生から大人までの幅広い年齢層に水泳の指導を行う。

2017年月経カップと出会い、生理中の過ごし方や生理に対する捉え方が大きく変わり、月経カップを通じて女性がより快適で自由に過ごせるように、社会や家庭でアクティブに活躍する女性たちをサポートしたいと思うようになる。世界中の数十種類もの月経カップを試してきた経験から、月経カップの選び方や使い方、経血量やライフスタイルに合わせた生理ケアについて、アドバイスを行ったり、ワークショップを開催したりしている。

女性の体や性教育、妊娠・出産・子育てについての正確な知識を届けることを目的に、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会(代表理事:丸の内の森レディースクリニック 院長 宋美玄先生)主催「これだけは知っておきたい」講座全10回を2020年3月に修了。