視覚障害者向け「フェムケア勉強会」を開催しました

2024年2月25日(日)に、美容を通じて視覚障がい者の社会参画を応援する団体、一般社団法人 視覚障がい者美容協会(JBB)と合同で、視覚障害者に向けた「フェムケア勉強会」を開催しました。 

視覚障害者向け 月経カップの使い方勉強会

 ■ 開催の背景

JBBが2023年に行った「視覚障がい者の生理と妊娠」についてのアンケートにより、視覚障害者が生理にとても困っていることがわかりました。目が見えないことにより、生理に気づけない、生理用品が選べない、何より身体の構造が図で確認できないため生理の仕組み自体も理解が難しい現状があります。

このたび、JBB代表理事の佐藤優子様からお声がけいただき、視覚障害者の生理の不便さや不安を少しでも解消するために、弊社が2024年1月に発売した「女性生殖器模型」を活用した、月経カップや吸水ショーツの使い方を学ぶ勉強会を開催することになりました。

視覚障害者が女性生殖器模型に触れながら体の仕組みを学ぶ

 ■ 参加者の声

「今日は普段聞くことができない体の仕組みや生理の基礎知識も楽しく学べました。生殖器の模型は、体の構造や臓器の位置がイメージしやすくてわかりやすかったです。月経カップについても、実物を触りながらカップの各部位についてひとつひとつ教えてもらったので、指でも確認できる目盛りがあることや、サイズの違いがあることを初めて知りました。自分の手を腟に見立てた月経カップの使い方の練習は、最初は指や手を使って立体的に筒状をつくることがよくわからなかったのですが、手を添えて丁寧に教えていただけたので理解できました。本当に貴重な時間でした。ありがとうございました。」(30代 先天盲)

「月経カップが身体に入ることがどんなことか想像することができました。実際に使い方を指を添えながら丁寧に教えていただいたので、わかりやすかったです。吸水ショーツは初めて知りました。ショーツが経血を吸収してくれるなんて素晴らしいアイテム!ぜひ使ってみたいと思います。」(30代 先天盲)

「生理は女性であれば誰しも避けては通れないけれど、月経カップや吸水ショーツがあれば、ストレスフリーな生活が送れそうだと感じました。最近、私のところに有益な情報が寄ってくるんです(笑)。今日は参加できて本当にうれしく思います。」(30代 弱視 ) 

視覚障害者向け 月経カップの使い方の勉強会

■インテグロの感想

視覚障害者向けの勉強会は初めての開催でしたので、反省点や改善するべき点はたくさんありますが、JBBのみなさまにフォローしていただきながら、無事に終えることができました。何より参加された方々に「参加してよかった!」と喜んでいただけたことがうれしかったです。

インテグロでは、以前に、東京パラリンピック競泳(全盲クラス)日本代表の石浦智美さんが月経カップを使い始めるときにサポートさせていただいた経験はありましたが、石浦さん以外の視覚障害者の方と直接お話しする機会はありませんでした。(詳細については、石浦さんのインタビュー記事をご覧ください)

今回の勉強会で、参加されたみなさまと、生理のこと、身体の構造、月経カップの使い方についてたくさん会話をさせていただき、あらためて、視覚障害を持つ女性が生理中いかに不便さや不安を感じているかを知ることができました。また、月経カップがそうした課題の解決の助けになる可能性、そして、対面で手を添えながら行うこのような勉強会の必要性を強く感じました。

勉強会終了後に、JBBで制作している「視覚障がい者おもてなしハンドブック」という冊子をいただきました。視覚障害者が実際にこのようにアテンドをしてもらいたいという手順がまとめられています。これを読んでおくだけで、視覚障害者を見かけたときに、どうやってお声がけしたらよいのか、どうやって誘導したらよいのかのポイントがわかるので、ぜひ1人でも多くの人に知ってもらいたいと思いました。

インテグロでは、必要な方にもっと生理や生理ケアの情報が届くような活動をサポートしていきたいと考えています。このような勉強会の開催を希望される方は、ぜひご相談ください。

お問い合わせ先メール:info@integro.jp