世界の生理用品事情を解説!10カ国の気になる特徴と傾向まとめ

2020.07.15
世界の生理用品事情を解説!10カ国の気になる特徴と傾向まとめ

世界各国では、どの生理用品が一番使われているかご存知ですか?

2019年4月に発表されたGlobal Feminine Hygiene Products Market(2018-2023)によると、2018年の世界の生理用品のシェア内訳は、生理用ナプキンが55%とトップ。

一方で、欧米ではタンポンが人気とも聞くし、最近は月経カップなどの選択肢もよく目にしますよね。

どの生理用品が選ばれるのかは、文化や習慣、宗教によって国や地域に差があります。

そこで今回は、世界10カ国の生理用品のいまをまとめてみました。

それぞれの特徴や傾向をチェックすると、月経カップなど新しい選択肢がクローズアップされる理由が見えてきました。

それでは一緒に、世界の生理用品のいまをチェックしていきましょう!

世界各国の生理用品:アジア

日本

日本では、生理用ナプキンが全体8割近いのシェアを占めています。1960年代、日本初となる生理用ナプキン「アンネナプキン」が誕生し、女性の社会進出とともに一般的なものになりました。

夜用・昼用・多い日用など、ラインナップが豊富で、使い心地や性能はピカイチ。一方、欧米で人気のタンポンは、挿入することへの抵抗感から約2割シェアにとどまっています。

最近は、月経カップや布ナプキン、吸収型サニタリーショーツも注目され始めています。

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韓国

韓国でも、日本と同様に生理用ナプキンが主流。韓国では、2017年に生理用品の安全性が問題視されて以降、綿や布など肌にやさしい生理用品が好まれる傾向にあります。

実は、韓国の生理用品は日本よりも割高。日本の生理用品が一つ15円程度のところ、韓国では30円ほどです。

そうした背景から、ソウルでは2019年、生理用品を必要とする全ての10代に無料配布する条例が成立しています。

インド

インドでは、日本と同じくらい気軽にスーパーや商店で生理用ナプキンが手に入ります。人気なのはWhisperやSofyなど日本でもおなじみのブランド。生理用品に対する税は、2018年に12%の課税が撤廃されています。

しかし、Feminine Hygiene Products Market in India 2019によると、インド人女性の生理用ナプキン利用率は18%にとどまります。

農村部や貧困層の女性たちは、高級品である生理用ナプキンが手に入らず、新聞、布、雑巾、乾燥した葉っぱなどで代用しています。

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ネパール

ヒマラヤが有名なネパールで手に入る主な生理用品は、ナプキンです。ただし、多くをインドなどからの輸入に頼っています。

こちらも高級品のため、多くの女性は古いサリーやタオルを使うのが一般的です。

ネパールでは宗教上の考え方から月経は不純なものとされ、「生理小屋」に隔離されたり、台所に入ることを禁止されたりという風習も未だ残っています。

世界各国の生理用品:北米

北米の生理用品売り場

アメリカ

アメリカでは、タンポンが主流。約8割はタンポンを使っていると推定されています。

アメリカでは、吸収体の挿入を補助するプラスチックカバーの付いた「アプリケータータンポン」が人気です。多い日用・普通の日用など、経血の量に合わせた種類がそろっています。

それ以外にも、2014年にアメリカ・カリフォルニアで誕生した月経カップ「エヴァカップ」「スーパージェニー」、タンポンやナプキンを使わない吸収型サニタリーショーツなど生理用品の選択肢が多いのも特徴です。

カナダの生理用品売り場

カナダ

カナダでは2015年に生理用品の消費税が撤廃され、タンポンと生理用ナプキンのどちらもスーパーや薬局で気軽に購入できます。

タンポンはアクティブに動きたい日向けから、通常用まで種類が豊富。もちろん、生理用ナプキンも日本と同じようなラインナップがそろっています。

加えてカナダでは、月経カップ世界シェア1位の「DivaCup(ディーバカップ)」も広く認知され、生理用品のコーナーに肩を並べています。日本の生理用品売り場は約8割が生理用ナプキンであることを考えると、生理用品の選択肢が豊かですね。

世界各国の生理用品:ヨーロッパ

ドイツ

環境先進国であるドイツでは、日本でもおなじみの生理用品に加え、天然素材にこだわった生理用品までバリエーションが豊かです。

タンポンが主流ですが、プラスチックアプリケーターのない「フィンガータンポン」が選ばれています。プラスティックフリーや香料フリーなど素材にこだわったものが多いのも特徴ですね。

また多くのドラックストアで月経カップが並んでいるのも、環境先進国ならではです。

イギリス

イギリスでは、タンポンも生理用ナプキンも幅広く使われています。

タンポンは、ドイツと同じくプラスチックアプリケーターのないフィンガータンポンがメイン。イギリスの生理用ナプキンは日本と同じとまでは言えませんが、比較的高性能で香り付きのタイプが多いです。

イギリスでは若い世代の10人に1人が生理用品を買えないとされ、スコットランドで2018年9月、イングランドで2020年1月より、公立の小~高校で生理用品の無料配布が始まりました。タンポン税も2020年3月に撤廃されています。

世界各国の生理用品:アフリカ

南アフリカ共和国

南アフリカ共和国では、生理用ナプキンを購入する余裕がない人が全体の65%という調査結果があります。

その場合、雑巾や羽毛、新聞などの不衛生な代替品を使わざるを得ません。

2019年4月、政府は生理用品にかけられていた15%の税金を撤廃しました。現在は衛生的な生理用品の普及や、性教育が進められています。

ケニア

ケニアでは、世界に先駆けて2004年に生理用品に対する軽減税率を撤廃。ただし、地方に暮らす人や貧困層にとって生理用品は今なお高級品で、古い布や毛布を代用品として使う人も多いのが現状です。

国内では、生理用ナプキンの無料配布も議論されていますが、現実になるにはまだ時間がかかりそう。

一方で、一部の地域では現地NGOなどが主体となり、生理用品の無料配布や布ナプキンの普及も進められています。

ベナン

ベナンでは、生理用品は現地の人にはあまり使われていません。

多くの人は、生理が来ると端切れで対応しているそうです。生理用ナプキンは都会の高級スーパーで買えるだけで、他の地域で購入するのは難しいのだとか。

また生理用ナプキンの使い方を知っている人も限られていて、現地でボランティアをしていた友人によれば、お店で「生理用ナプキンが欲しい」と言っても伝わらないことがあったそうです。

世界で今、なぜ月経カップが注目されているの?

なぜ月経カップが注目されているの?

世界の生理用品事情をのぞいてみると、月経カップに注目が集まる理由が見えてきました。3つのワケを解説します。

生理の貧困(Period Poverty)が議論されている

紹介したように世界では、生理用ナプキンが一番利用されています。しかし、各国の実情を見ていくと、生理用品を買うことができない人もいることもわかります。

特に、先進国であるイギリスの10人に1人が生理の貧困(Period Poverty)であるという内容はとても衝撃的ですよね。

生理用ナプキンやタンポンは使い捨てのため、継続して買い続ける経済力が必要です。例えば、日本の生理用品は一つ15円ほどですが、世界には経済的な理由からそれが買えないという人が少なからずいるのです。

そして代替品を使う人の一部は、洋服のシミをからかわれる、匂いが気になってしまうなどの理由で、生理中は家から出ることができません。子どもなら生理用品が買えないことで学校を休まざるを得ず、教育を受ける機会も失ってしまう悪循環が生まれています。

そうした生理の貧困(Period Poverty)を解消するために、月経カップのようなリユースできて、長く使える生理用品に注目が集まっているのです。

お財布と地球にやさしい

1回の生理で使用する生理用ナプキンやタンポンの金額は、約600円。一生で約30万円を費やす計算になります。生理や月経前症候群(PMS)、肌荒れがひどい人は、薬代などそれ以上の費用がかかってしまいますよね。

生理用ナプキンやタンポンの多くは化学繊維でできており、自然に還るには、500~600年という途方もない年月が必要です。

でも医療用シリコーン製の月経カップなら、数年~10年使えるので経済的。しかも、ゴミも大幅に減らせるため、地球にもやさしいです。

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月経カップは思った以上の使い心地

最近日本でも聞くようになった月経カップは、実は、新しい生理用品ではありません。1937年にアメリカで生まれ、時代の変遷とともに、腟内にフィットし漏れないよう研究に研究が重ねられて、今の形や素材にたどり着きました。

実際に使った人に話を聞くと、「装着感がないので生理を忘れる」とか「生理期間が短くなった」という声も。

月経カップがもたらす科学的な根拠は現在検証されている最中ではあるものの、生理用ナプキンを頻繁に取り替える必要がなかったり、あのムワっとする蒸れから開放されたりと、使い心地の良さに世界が気づき始めています。

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まとめ

今回は、世界で使われている生理用品についてまとめてきました。最後に、世界の生理用品事情を改めてまとめてみましょう。

・アジア圏では生理用ナプキン、欧米ではタンポンが人気

・世界では生理用品を買えないケースも多い

・生理の貧困(Period Poverty)は先進国にもある

・世界では生理用品の課税廃止が進んでいる

・月経カップはエコでお財布に優しく、使い心地がいいことを世界が認識し始めている

私が当たり前に買える生理用品は、実はとても恵まれている環境なんだと初めて気がつきました。

でも、地球のこれからを考えた時、今の生理用品のままでいいのかな……という疑問も生まれます。

これをきっかけに、生理用品の選び方を改めて考え直してみませんか?

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インテグロ編集部

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